自分が幼いころを思い返してみると、どうも不思議な感覚があって、半分この世に降りてきていないような、どうもぼんやりとした霧がかった意識の中で生きていたような感覚があります。
未だに覚えているのが、幼稚園の卒園アルバム用に砂場で大きなスコップを持って写った写真があるんですが、その撮影をするときに何故スコップを持たされてしゃがむように言われたのか、当時全く理解できていなかったということ(それを示すように、私の目線はぼんやりとどこかを見ている。他の子は先生と笑顔でカメラ目線)
私は覚えてないのですが、小学校低学年の頃は授業中に突然立ち上がって窓際に行って、ぼんやりと外を眺めていたりしたようです……。



--------------



ひょんなことから知った、ヘンリー・ダーガーという人物。
幼いころに天涯孤独になって以降、雑役夫などの仕事をしながら、人と積極的に関わることは殆ど無く、ひっそりと社会の底辺を81年生き抜いた人。
そんな人が残した作品は、「非現実の王国で」という、15000枚ものテキストと数百枚の挿絵(大きいものだと3メートルを超える長さのものも)でできた、非現実の王国の物語。
19歳から死の直前までの間、60年に渡って独りでひたすらに、誰にも見せること無く、ひたすらに自分のためだけに創られた世界。

CAIXZ6SUYAAvqrz.jpg

絵を習ったわけでもないダーガーは、写真を切り貼りしたり、他の雑誌の絵を写したりして自らの世界を創っていきます。
特に「少女」という存在はダーガーの中で特別なものだったのか、ヴィヴィアン・ガールズという7人の姉妹を筆頭に、カトリック国家側の彼女たちと子供を奴隷にする国家(多くが大人の男たち)との戦いの世界を描いていきます。
絵も結構グロいものもあれば、花々が咲き乱れる中にいる少女の絵もあったり、様々です。
現実にあった怒り(気に入ってた少女の写真紛失)ややるせなさを、神に抗議するという形で、少女たちの惨殺劇を描いたりしていたようです。
そして少女たちであるはずなのに、股間には少女にないものがあったり。
女性の裸を知らなかったから(見たことがなかったからだ)という評があるようですが、それはないだろうと思います。
だったら何故男性器を描いたか?
そんなこと、本人に聞いてみないとわからないでしょ、と言いたくなります。
何を考察したところで、今となってはもう本当のところは永遠に分からない。

誰にも知られることが無かった世界が知られたきっかけは、老いてアパートを引き払い、救貧院へ向かう際にアパートのオーナーに自分の荷物の処分を依頼したことがきっかけでした。
けれど、他人に見せるつもりが無かった自分の世界をこうして作品として評価されて、知られてしまったのはダーガー本人にとってはどうだったのかな、と思います。
評価されて嬉しいと感じたのか、それとも居心地悪く感じたのか。
(オーナーに作品の感想を伝えられた際に「もう遅いよ」と言ったとか……だとしたら早めに評価されたら嬉しかったのでしょうか)

自分の作った世界を他者に公開するということは、評価がつきまといます。
賞賛される場合もあれば、貶されて場合もある。
ダーガーが生きた時代にはネットがなかったので、今のようにだれでも作品を公開できるという環境では無かったですが、もし今の時代に生きていたなら、作品を公開しただろうか……?
いや、やっぱり誰にも見せなかった気がする。
むしろもし公開したとしたら「ただのラクガキじゃないか」と貶されて終わっていた気がする。
面と向かって言えないことも、ネットという世界を通してならズケズケ言えますから、場合によってはとても怖い世界です。

絵としてはデッサンの基礎ももちろん無いのですが、でもとても楽しい作業だったのだろうなという感情が伝わってきます。
捨てられた雑誌の切り抜きを集めて、自分の空想の世界を作り上げていく過程はどれだけワクワクしたものだっただろうか。
沢山の絵の具を揃えて、大きな紙に描いた自分の世界に色をつける作業はどれだけ楽しいものだっただろうか。
孤独の中で誰とも深くかかわらず、まわりからクレイジーと言われて生きたダーガーが狭い自室で作品に色をつけるとき、どれだけ心躍っていたのだろうか。
そんなことを思うと凄く切なくなりました。

クレイジーというのは、世間への鬱憤を見も知らぬ他人にぶつける輩たちだ。
むしゃくしゃしたから、という理由だけで見も知らぬ相手を傷つけたり命を奪ったりする事件がどれだけあることか。
自分の世界で戦争を描いて、時に残虐なシーンを描いたりしたとしても、慎ましい生活で一生を終えたダーガーはどれだけまともな人であったことか。
現実逃避のために非現実の王国を創ったのだろうか、と最初は思いましたが、どうも違う気がします。
むしろ孤独な現実から逃げず、生き伸びるために、ダーガーは非現実の王国を創りあげたのではないのだろうか、と。
色々考えました。

ダーガーの作品に関しては、評価するものではないのではなかろうか、と思います。
なぜなら最初から他人の評価を求めて描かれた作品群ではないからです。
なので、勝手に貴方の世界を覗いて勝手に感想抱いてごめんなさい、という気分になります。


---------------


思えば私が幼いころ半分こちらの世界にいる感覚が無かったのは、現実に対応できてなかったのかなと思います。
物心ついた頃から、絵を描くのが好きでした。
でも人前で絵を描くのは好きじゃありませんでした。
家族に上手いと褒められるのは嬉しかったけれど、見も知らぬ他人(この場合は学校の先生や同級生)の前で描くのは嫌いでした。
いつの頃からか、自分の描くものが貶されることも多々有りました。
それでもネットが普及して、簡単に自分の創作物を公開する事ができるようになって、顔も知らない相手の作品を観たりこちらから見せたりすることができるようになりました。
見も知らぬ他人から良い評価をされると、やっぱり嬉しかったです。
でも気づけば、良い評価をされることが目的になっていました。
そして見も知らぬ相手から酷評されたりけなされたりすることもありました。
「ニーズを考えてください」と言われたことも有りました。
あ、そうなのか。
自分の好きに創作してはいけないのか。
人に見せるということはそういうことだと、わかったのは最近になってからのことです。


今になって思えば、自分の世界は自分だけで大事にしていればよかった。
楽しんで絵を描けなくなった今、そしてダーガーの存在を知った今、心の底からそう思うのです。


スポンサーサイト
先日、某アマゾンにて購入しました。
以前から気になっていたイヴァン・ビリービンが絵を担当した絵本「うるわしのワシリーサ」です。
うーん、美しい絵だ(*´∀`)

9745000_2066089345_245large.jpg

中身は英語なので読めません^^;
が、あらすじはWikipediaに載っていたので、内容は大体わかりました。
シンデレラみたいな感じかと……。
絵の枚数自体は少なかったので、やはりビリービンの画集が欲しいなー。
最近本当に次から次へと欲しい本が出てきて困っています。
数百円の単行本ならいいんですが、画集となると1000円は軽く超えちゃいますからね。
ちまちまと集めたいなー。

今日は夕方の情報番組で、難病治療の動物病院のことをやるらしく、姉の部屋で待機してたららんまるこもついてきました。
9745000_2066049265_214large.jpg

頑張って観てましたが、一時間観ててもやらなかったのであとは父に録画を頼んで断念しましたよ(;´Д`)
こういう時、自室にテレビは欲しいかもしれません。
みおろしねこ
9745000_2055706357_216large (1)

結構キャットタワーに登ってくれてます(*´∀`)
一番上まで行くのはあまりないかな?
たいてい、上から二段目のところに座ってます。
広いからでしょうねー。
ところでカーテンの端がちゃんと閉まってなかったり、地震で歪んだままの時計をちゃんとしてなかったりすることには目をつぶってください(ずぼらか

いいかげんなやつだにゃ
9745000_2055706728_239large (1)

さて、姉にAmazonでの買い物を頼まれたついでに前から欲しかった本をぽちりました。
ペソアさんの本二冊目です。
9745000_2056023655_199large.jpg

詩集なんて生まれて初めて買ったわ~……(基本あまり本読まない)
ペソアさんの詩を歌ったファドなるポルトガルの民族音楽のCDも出てて、そちらも欲しい。
日本の民族音楽って……演歌になるんだろうか? 民謡?(曖昧

もうすぐ自分の誕生日なので、増税になることだし欲しい画集を買おうかなと思ってたりするんですが、代引きなのかネック……(;´Д`)
ロシアのビリービンという画家の画集なんですけどね。
買うなら増税前だなーというあたりで、毎日葛藤しております……(笑)

ちなみに姉に頼まれた買い物は、ボーイジョージの新譜でした。
数年前には激太りしたり不祥事起こして逮捕されたりと散々でしたが、今はすっかり痩せて素敵になってます。
姉は10代の頃大ファンだっただけに、内心「青春を返してくれ……」と思っていたそうなので、この復活にはとても嬉しそうでした(*´∀`)
普段クールな姉がはしゃいでましたからね……。



2013.12.22 読書の冬
9745000_2032361301_94large.jpg

随分前に購入したフェルナンド・ペソアの本やっとここまで読み進んだ……。
普段本を読まない=活字慣れしてないので、読むのが遅くて遅くて(;´д`)
あと、なるべく病院の待ち時間で読むようにしてたんですが
病院の待ち時間って意外と落ち着いて本が読めない(当たり前)
以前DS持っていったこともありますが、それでも落ち着いてゲームできるわけでもなし(当たり前)
病院の待ち時間ほど手持ち無沙汰になる時間はないですねー
なんとかならんかしら

しかし、日本ではあまり知られていないのか知名度が低いのか、ウィキペディア見てもペソアさんがどういう人生歩んだのか詳しく書かれてない……。
生涯独身(婚約者はいたっぽいが別れた?)、生前無名、40代の若さで他界したということくらいかしら。
ペソアさんの文章で、よく「夢を見る」というのが出てきますが、一体どういう夢を見ていたのかなぁ、と思いを馳せてみたり。
仕事と家の往復の間に、現実逃避のように、何処かへ旅に出かける想像をしていたのでしょうか。
Twitterにペソアさんのbotがあって、様々な文章がツイートされるんですが共感できるものが多すぎて、もし会えるならば「貴方の気持ちがよくわかりますううううううううう」と言って抱きつきたいレベルです。
そして語り合いたい。人生の生きにくさについて語り合いたい。
ペソアさんめっちゃいい迷惑。

まあでも、自分の死後80年以上経って遠く離れた島国の、くたびれたねこの下僕にこんなに共感されてるなんて本人も思ってないでしょうね^^;

音楽にしろ、書物にしろ、何かしらの作品が残せてそれが後世まで伝わるなんて幸運にめぐまれたら、肉体の命が尽きてもなお生きてるに等しいんじゃないだろうかなんて思ったりしてみたり。

9745000_2032374138_177large.jpg

本の紐に反応しました(^ω^)
おもちゃじゃないよー